さくらインターネットの株価が低すぎる?「需給の歪み」とグローバル資金流入をゆるっと考えた。
直近のさくらインターネット(3778)の株価は、
2024年の急騰期を経て現在は2,900円付近での足踏み(横ばい)が続いています。
足元の決算における先行投資コストの重荷や一時的な営業赤字転落を嫌気する見方もありますが、
市場の裏側を覗くと、プロの投資家ほど見落とせない強烈な「需給の歪み」が生じているのではないかと感じました。
中長期的なポテンシャルと、
今後想定されるグローバル資金の流入シナリオについてゆるっと考えてみます。
1. 海外機関投資家から「完全にスルー」されている現状?
同社の株主構成にを見ると、
「外国法人等の株主比率がわずか3%前後」ということです。
東証プライム市場の平均(約30%)と比較して驚くほど海外勢が買っていない背景には、
海外の機関投資家の見落としがあると考えました。
【時価総額と機械的スクリーニングの壁】
海外の大型ロングファンドは
「時価総額2,000億〜3,000億円以上」を投資対象のスタートライン(足切りライン)に設定しているケースが多く、
現在の規模(約1,200億円)では自動システムにそもそも引っかかっていない可能性が高いのでは無いかとおもいます。
【英語圏への情報ギャップ】
海外のAI専門アナリストの画面では、
いまだに「日本のローカルなホスティング会社」という古いカテゴリでデータが止まっている可能性があり、
最先端の「AIデータセンター/GPUクラウドの覇者」へ変わってることに、
情報が正しくアップデートされていないと思いました。
2. 世界的潮流「ソブリンAI」における絶対的優位性
しかし、同社のビジネスモデルの本質は、
世界的なテックトレンドである「Sovereign AI(ソブリンAI:国家のデータ主権を伴うAIインフラ)」のド真ん中に位置しています。
ちなみに『ソブリンAI(AI主権)』とは、
海外の巨大IT企業に依存することなく、
自国のインフラやデータ、人材を用いて独自に開発・運用するAIを指します。
米欧の言語や価値観に偏らないため、その国独自の文化や法規制に最適化したシステムを構築できるのが強みです。
機密情報や個人情報の海外流出を防ぎ、
地政学的な環境変化にも左右されない安全な情報基盤を確保できることから、
経済的な自立を目指す国々で導入が加速しています。
なので!
デジタル庁のガバメントクラウドへの採択や経済産業省からの巨額補助金があります。
安全保障の観点から国としても
「国内企業であるさくらインターネットに頼らざるを得ない(代替が利かない)」
というポジションを築きつつあります。
さらに、
万が一国策の進捗にブレが生じたとしても、
世界的な「サーバーラック(データセンターの敷地と電力容量)の圧倒的不足」という現実があります。
もしも国が手を引いても、AIブームが下値を支えになると考えられます。
米マイクロソフトとの協業検討に代表されるように、
枠が空けば外資系テック企業が喜んでそのインフラをプレミアム価格で買い取りにくる(空室リスクが極めて低い)構造と言えます。
つまり、
下値は「ソブリンAIインフラとしての強固なディフェンシブ性」で強固に守られ、
上値は「最先端GPU需要による爆発的なグロース性」を持つという、
稀有なハイブリッド構造を内包しているという見方も成り立ちます。
3. 株価上昇は一気に来る?需給の理由
この需給の歪みが強制的に正されるトリガーとして、
以下の2段階のタイムラインが注目されます。
【第1波:2026年後半(年内)】
新型GPU(NVIDIA B200など)の稼働による売上が四半期決算に本格寄与し、
黒字化への進捗が数字で可視化される時期。
【第2波:2027年春(来年前半)】
会社側が公式に掲げる「2027年3月期のV字回復(営業利益15億円)」の達成が確定データとなり、
株価上昇に伴って時価総額が海外勢のスクリーニング基準をクリアし始める時期 。
ここで重要になるのが、
同社の「浮動株(市場に流通する株)の薄さ」です。
筆頭株主の双日や創業者らが株式をガッチリと固定して握っているため、
業績の裏付けを得た海外勢の買い注文が一斉に流れ込んだ場合、
市場の株が圧倒的に不足する事態が想定されます。
さらに、
株価が上値をブレイクした瞬間、
上がらないと踏んで空売りを仕込んでいた勢力の買い戻しが巻き起こる「ショートスクイーズ(踏み上げ相場)」が炸裂し、
事前の予兆なく垂直に株価のステージを変えていく(一気の上昇)可能性も否定できません。
まとめ。
現在の「株価が全く上がらない」という膠着状態は、
ファンダメンタルズの悪化ではなく、
グローバル資金の検索システムの手前で発生している「認知の空白地帯」が生んだ大バーゲンセール状態ではないかと考えています。
この市場の歪みが、
今後「確定した数字」によってアメリカなどのに世界へ知らしめられた時、
どのような需給の変化が起きるのか。年内から来年にかけた決算・IRの進展から目が離せません。
(※本記事は投資の勧誘を目的としたものではなく、特定の銘柄の動向を保証するものではありません。投資判断は自己責任でお願いいたします。)