「含み益って複利と呼べる?」インデックス投資の疑問を考えた。ゆるっとまとめ。
はじめに:疑問に思ったこと
「インデックス投資は複利で増える」というフレーズをよく耳にします。
しかし、実際に運用してみると、増えているのは口座の中の「含み益」です。
まだ確定していない利益に対して「複利」という言葉を使っていいのか、
少しモヤモヤしていました。
結論から言うと、
「厳密な定義では複利とは少し違うけれど、結果的な増え方は複利と同じ」という、
ちょっと不思議な性質を持っています。
今回は、この仕組みを、ゆるっと整理してみました。
1. なぜ「含み益=複利」と言い切れないのか?
金融の厳密な定義に照らし合わせると、
含み益をそのまま「複利」と呼ぶのには少し抵抗があるケースも少なくありません。
理由は大きく2つ挙げられます。
【理由①:利益が「確定」していない】
本物の複利(預金の利息など)は、一度口座に入れば原則として減ることはありません。
一方、含み益はあくまでその時点の「時価(値札)」です。
市場の状況によっては減少する可能性もあるため、
「利益が確定して元本に組み込まれた」とは言い切れない側面があります。
【理由②:持っている「量(口数)」が増えていない】
一般的な複利は、100個のものが105個、110個と「物理的な数」が増えていくイメージです。
しかし、値上がりによる含み益の場合、持っている投資信託の量は増えていません。
単に「1マスあたりの価値(値段)」が膨らんでいる状態です。
このような点から、
正確さを重視する視点では、含み益を複利と呼ぶのは少し違うのではないか、という意見にも一理あります。
2. なぜ世間では「複利」と呼ばれているのか?
それにもかかわらず、多くの本やインフルエンサーが「複利効果」と呼ぶのには、それなりの理由があります。
【理由:増え方の「計算式」が100%同じだから】
投資信託の価格は、「前日の価格(含み益が含まれた状態)」に対して、翌日も「◯%」という形で上下します。
1年目に100万円が105万円になり、2年目はその105万円全体に対して%が計算されるため、「利益が次の利益を生む」という掛け算の連続(乗数効果)になります。
「これは乗数効果による幾何平均の成長です」と説明すると少し難しく感じてしまうため、誰にでもイメージが伝わりやすい「複利」という言葉が便利に使われている傾向があるようです。
3. インデックス投資で一番大切にしたいこと
厳密には複利ではない「含み益」ですが、
だからといって利益を確定するために途中で売却する必要はありません。
インデックス投資においては、むしろ「そのまま動かさずに持っておくこと」が最も有力な選択肢とされています。
なぜなら、
一度現金化して利益を確定させると、その瞬間に税金(約20%)などが引かれて、
せっかくの雪だるまの芯が小さくなってしまうからです。
投資信託を1ミリも動かさずにじっと持つことで、
税金という「摩擦」をできるだけ後ろに引き延ばし、
結果的に「複利と全く同じ爆発力」を維持しやすくなると言えそうです。
まとめ:自分の中でどう解釈すべき?
・含み益は、厳密に言えば複利というより「ただの掛け算の連続(乗数効果)」という見方もできます。
・しかし、途中で売らずにじっくり育てることで、結果的には複利と全く同じパワーのグラフを描いてくれます。
言葉の定義を厳密に捉えつつも、
「税金で減らさないように掛け算のゲームを長く続けること」が、
インデックス投資を味方につけるコツなのかもしれません。